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YAOHIKO ISSHO MOCHIYAOHIKO ISSHO MOCHI

企業ブランディング

ブランドの世界観を起点に、伝統行事を再設計する。

概要

八百彦本店は、名古屋で約300年にわたり仕出し料理を提供してきた老舗料理店です。スタジオディテイルズは、同社のブランディング支援を通じて、伝統を未来へ受け渡すための価値再定義に取り組んできました。一升餅プロジェクトは、そのブランディングの延長線上で立ち上がった取り組みです。八百彦本店が掲げる世界観や価値観を土台に、日本の伝統行事である一升餅を、現代の家族にとって意味のある体験として再構築しました。

背景

八百彦本店のブランディングでは、長い歴史の中で培われてきた味や所作を、過去の遺産として保存するのではなく、次の世代へどう手渡すかが一貫したテーマでした。一升餅もまた、古くから続く行事である一方、形式や手順が先行し、体験としての価値が十分に共有されにくい側面を持っています。ブランドとして大切にしてきた考え方と、伝統行事のあり方との間に、更新の余地が見えていました。

目指した姿

本プロジェクトで目指したのは、八百彦本店のブランドが持つ思想を、一升餅という行事の中で具体的な体験として立ち上げることです。伝統をそのままなぞるのではなく、家族にとって記憶に残る時間として成立させる。その結果として、行事そのものが自然に次の世代へ引き継がれていく状態をゴールとしました。

支援内容

ブランド世界観からの体験設計
一升餅を単体のプロダクトとして捉えるのではなく、八百彦本店のブランディングで定義した世界観の一部として再設計しました。
行事の主語を「形式」から「家族」に移し、祝う時間そのものが思い出として残る体験設計を行っています。これは、日々の料理や仕出しを通じて培われてきた、八百彦本店の姿勢と地続きの考え方です。

世界観を具現化するグラフィック開発
体験設計を支える要素として、ロゴ、風呂敷、パッケージ、選び取りカードなど、すべてのツールを一貫したトーンで制作しました。野菜や動物などの有機的なモチーフや、手描きの質感を取り入れることで、写真に残したときにも八百彦本店らしさが感じられる表現にしています。プロダクト単体で完結させず、ブランドの延長として自然に受け取られることを重視しました。

成果

本プロジェクトにより、一升餅は八百彦本店のブランド世界観を体験として伝える存在となりました。伝統行事を提供するだけでなく、家族の記憶として残る時間を設計する。その姿勢が評価され、新しい顧客層との接点が生まれるとともに、地域を越えた展開へとつながっています。一升餅は単独の成功事例ではなく、八百彦本店のブランディングが事業や体験へと展開されていくプロセスの一断面として位置づけられる取り組みです。